地震防災フォーラム'06
−来るべき東南海・南海地震に備えて(4)−(大阪平野における長周期地震動と長周期構造物の応答について)
開催報告
主催 : 関西地震観測研究協議会(関震協)
協賛 : (社)土木学会関西支部
(社)日本地震学会
(社)地盤工学会関西支部
(社)日本建築学会近畿支部
日本地震工学会
(社)建設コンサルタンツ協会近畿支部
関西ライフライン研究会
(社)日本建築構造技術者協会関西支部
日時 : 平成19年1月19日(金)13:30〜16:45
会場 : 建設交流館 グリーンホール(大阪市西区立売堀2−1−2)
参加者 : 91名
1.開会の挨拶
家村浩和先生(京都大学大学院工学研究科 教授,関西地震観測研究協議会 座長)
長周期地震動が注目されてきた経緯や,午前中の総会で次期座長に堀家先生(大阪工業大学)が就任されることの報告と,在任期間中にご尽力されたことなどについてのお話があった.
2.「関西地震観測研究協議会2006年活動報告」
鶴来雅人(事務局)
関震協の2006年の活動内容について報告があった.
3.「関震協地震計の設置方位について」
赤澤隆士(事務局)
関震協地震計の設置方位のジャイロ・コンパス(九州大学地震火山観測研究センター所有)による地震計NS成分の真方位の計測結果についての報告があった.
4.「東南海・南海地震時に想定される大阪平野およびその周辺域における長周期構造物の応答評価ワーキンググループ(長周期応答WG)の概要」
林 康裕先生(京都大学大学院工学研究科 教授,長周期応答WG 代表)
WGにおいて進められている長周期建物,土木構造物の分析結果,建物の応答特性に関する分析結果の概要についての紹介があった.
5.「2004年9月の紀伊半島沖を震源とする地震動の空間的な分布と深部・浅部地盤構造の関係」
大西良広氏(財団法人 地域 地盤 環境 研究所)
地震観測記録の分析結果から大阪平野の地盤構造と地震波の応答特性などについての分析結果が報告された.
上林宏敏先生(広島国際大学 社会環境科学部 助教授)
観測記録を用いた超高層建物の応答に関する分析,建物応答のシミュレーションについての報告があった.
高橋良和先生(京都大学防災研究所 助教授)
大阪湾岸の長大橋とタンク構造物について観測記録を利用した応答解析結果についての報告があった.
これらの研究成果では,関震協の採取した観測記録が大きな役割を担っている(長周期応答WGの成果なので当然といえば当然だが).これからも関震協としては良質な観測記録を採取し提供していくことが社会貢献の観点からも重要であることをあらためて認識させられた.
井上 豊氏((財)日本建築総合試験所 試験研究センター長)
まず,関震協の名誉会員になったことへのお礼と,参加者の方々への感謝を述べられた.また,関震協として「地震記録の観測」,「フォーラムの開催」を通じて会員のみならず社会に情報を提供していくこと,関震協としても自らが採取している観測データを用いて,今後も研究を進め,さらにそれを発展させていくことが大切であることを述べられた.
文責 : 応用地質株式会社 住田賢二
[ トップへ戻る ]